第107回全国高校野球選手権大会 1回戦・成績
2025/8/6(水)
選手権大会1回戦@阪神甲子園球場
天理
210 000 100-4
010 211 00X-5
鳴門
(天)松村、橋本、長尾ー石井
(鳴)橋本ー仲須、湊
本;橋本②(鳴)
二;冨田(天)稲山2(鳴門)
試合内容
1回表;無死1,3塁で3番赤埴右前タイムリー、さらに一死2,3塁で5番下坊遊ゴロの間に1点追加。2-0
2回表;二死2塁で1番冨田左越えタイムリー二塁打。3-0
2回裏;二死1,3塁で8番西村左前タイムリー。3-1
4回裏;無死1塁で5番橋本左越えに同点2点本塁打。3-3
5回裏;二死1,3塁で4番稲山右前タイムリー。3-4
6回裏;二死2塁で9番小川中前タイムリー。3-5
7回表;一死3塁で4番永末の中犠飛で1点。4-5
9回表;二死1,2塁と攻め込むも4番永末が中飛に打ち取られ試合終了。4-5
”心ひとつに夢の先まで”
大会二日目夕方の部、第4試合の甲子園ナイターの下繰り広げられた激戦。幸先よく先制した天理を中盤鳴門が追い上げ勝ち越し。鳴門エース橋本の粘投の前にあと一歩及ばず、4-5。チームのためにを合言葉に一丸で戦った最後の夏、3年ぶりの夏の甲子園は1回戦で姿を消すこととなった。
1回表に無死1,3塁から3番赤埴のタイムリーと遊ゴロで幸先よく2点を先制、2回表にも1番冨田の左越えツーベースで1点を追加、3点のリードを奪い序盤を優勢に進めた。2回裏に1点を返した鳴門は4回裏に先発のエース5番橋本の左越えツーランで一挙同点、その後も4回裏・5回裏にそれぞれタイムリーで1点つづを追加し中盤で3−5と逆転。天理は7回裏に4番主将永末の犠牲フライで1点を返すも反撃はここまで。9回表に二死1,2塁と攻め込むも4番永末が中飛に打ち取られ試合終了。4−5、惜しくも1点届かず、春夏連続の甲子園は1回戦で敗れた。
1回2回はヒットで出塁、犠打も決まり自分たちの攻めの形を展開。頼みの上位打線にヒットも出て浮き足立つ鳴門から3回までで7安打、計10安打を浴びせた。先発松村も序盤は打たせて取る投球で鳴門を抑えるも中盤甘く入ったところを捕まった。その後橋本・長尾と繋ぐ奈良大会の系統パターンを展開、それぞれ1点ずつを失ったがピンチを最小限に抑えて終盤の逆転機に繋げた。選抜はアクシデントこそあれ、見せ場をほぼ作ることのできなかった甲子園での戦いから、春夏の奈良・近畿での戦いでつけた自信を感じさせる戦い、力強さも粘り強さも発揮した。
鳴門は中盤に天理投手陣の甘いボールを逃さず逆転すると、立ち上がり失点したエース橋本が立ち直り、低めに決まる変化球を中心に的を絞らせず、天理打線の勢いを抑え反撃を許さなかった。
甲子園で、天理115代の最後の夏が終わった。
永末・赤埴・下坊・冨田・伊藤らを始め、前チームのレギュラーや経験者を多く残し始動した115代。新チーム発足直後の秋奈良大会を優勝すると近畿大会4強で選抜出場。初戦敗退に終わった選抜からチームを再び立て直し春、そして夏の奈良大会を優勝。奈良県内無敗で最後の夏、春夏連続の甲子園に出場。春選抜の悔しさをバネに見事甲子園に戻ってきた。掴んだ最後の夏の聖地、力を出し切り、全力で楽しんだ。だからこそ最後は甲子園での勝利を手にして欲しかった…恐らく史上最大級であろう大声援のチャンステーマ”ワッショイ”に背中を押され、最後の最後まで粘り抜いたその姿、ナイターの下繰り広げた天理の底力、彼らの努力と気迫の結晶だ。
まだまだ見ていたかった天理115代。苦難にも壁にも当たりながら幾度となく感動的な試合・勝利を積み重ね、春も夏も聖地に連れて行ってくれた彼らに、ただただ、感謝の念がやまない。
よく頑張った。全てを注いで目指した舞台、よく掴んだ。この貴重な2年半で得られた経験は必ず彼らの次のステップにも繋がっていく、そして次世代の天理野球部にも継がれていく。天理115代、沢山の感動をありがとう、本当にお疲れ様でした。