第106回全国高校野球選手権奈良大会 準々決勝・成績
2024/7/23(火)
選手権奈良大会準々決勝@さとやくスタジアム
智辯学園
002 001 020-5
010 010 000-2
天理
(智)田近ー山崎
(天)麻田、下坊、松本ー豊田
三;山崎(智)
二;國島、中道(智)
試合内容
2回裏;一死満塁から7番川村の犠牲フライで天理先制。1-0
3回表;一死1.2塁から2番國島の右越えタイムリー二塁打、3番近藤右犠飛で智辯学園逆転。1-2
5回裏;二死2塁で2番赤埴中前タイムリー、天理同点。2-2
6回表;一死3塁で7番山崎にスクイズ、智辯学園勝ち越し。2-3
8回表;一死1.3塁から7番山崎右翼線2点タイムリー三塁打。2-5
9回表;二死からランナーを出すも最後の打者はショートゴロで試合終了。2-5
今春準々決勝に続く直接対戦、夏は6年ぶりとなった両校の対戦は智辯学園が中盤以降突き放し勝利、今春のリベンジを果たしベスト4進出を決めた。
2回裏、4番主将松本のチーム初ヒットから満塁のチャンスを作り、7番川村の中犠飛で天理が先制。幸先よく試合を進めるかに思われた直後、智辯学園が2番國島のタイムリー等ですかさず逆転。天理の守備の乱れにも乗じて2点を返し流れを引き戻した。天理も5回裏二死2塁から2番赤埴のタイムリーで同点に。両校譲らないがっぷり四つの展開で前半を折り返した。しかし直後の6回表に智辯学園がスクイズで勝ち越し。天理のバッテリーエラーでもらったチャンスを確実に活かすと、8回にも山崎のタイムリー3塁打でダメ押しの2点を奪い試合を決めた。
天理先発麻田は立ち上がりこそ自分のペースで打ち取ったが智辯打線に粘られ6回途中3失点で降板、その後下坊、松本を投じるも食い止められなかった。智辯学園先発田近はこの試合2度の満塁のピンチを迎えるも最小失点に抑え流れを渡さず。持ち味のカーブも武器に制球よく投げ続け、強打の天理打線を5安打2失点に抑えた。
智辯学園の試合運びの上手さと手堅さ、そして気迫が際立った。3回と6回の得点は共に天理の得点の直後、失点直後のイニングを簡単に終わらないことで流れを相手に渡さなかった。そして一死取るごとに出る気迫、一塁手佐坂をはじめ打者を打ち取るたびに雄叫びを上げてチームを鼓舞。春の完敗をなんとしても取り返すという気迫は春の王者天理の意気を、自軍応援団を越す天理応援団のボリュームを凌ぐ勢いとなった。エース田近のコメントでもこの1ヶ月天理を意識して取り組んできたとあるように、この大一番にかける思いはひとしおだった事でしょう。
天理は先制こそしたものの2回の続くチャンス、8回裏二死満塁と、あと一本出ればという場面を惜しくもものにできず、智辯学園田近を打ち崩せなかった。
2・3回戦でなかなか打線が勢いに乗れなかった感があり、一発勝負のトーナメントの難しさ、そして僅かなミスも上位校は得点に結びつけてくる隙のなさ。春の実績はあれど夏の戦いの難しさを感じさせられた試合となった。松本主将は「力を出し尽くした、その上で智辯学園が上だった」とのコメント。春近畿大会の舞台まで進出して感じた想いなども含め、この夏に全てを向けて戦い持てる力を出し尽くした戦いとなった。
松本、大谷らを筆頭に1年夏で甲子園を経験し、2年生以降も前チームから公式戦を経験してきた114代も最後の夏は甲子園に届かず。1年生時から名門天理の重圧を背負い戦い続けたからこそ、あの聖地に戻って欲しかった…
2022年夏に甲子園、2023年秋の近畿、そして今年2024年には実に13年ぶりとなる春季県大会優勝と近畿大会出場を果たした114代。大谷・松本というプロ注目選手を抱え往年の重量打線・強打天理を感じされる彼らの戦いは夢とロマンを感じさせるものだった。彼らの想いは、こちらも下級生から試合経験豊富な選手の多い115代に継がれる。
これから次のステップに進む3年生への感謝と共に、早くも新チーム始動に向け進む1・2年生、115代天理を応援していきます。
天理高校野球部114代、本当にお疲れ様でした。たくさんの夢と感動をありがとう。