現役世代

【不屈の逆転劇、精神力の勝利】選手権奈良大会準決勝・奈良大附戦

第107回全国高校野球選手権奈良大会 準決勝・成績

2025/7/26(土)
選手権奈良大会準決勝@さとやくスタジアム
奈良大附
210 000 010-4
500 001 00X-6
天理
(奈)杉山、上橋、新城ー石井
(天)松村、橋本、長尾ー石井
本;冨田①=4試合連続(天)

試合内容

1回表;一死1.2塁で4番石井左前タイムリー、さらに5番寺島左前タイムリーで奈良大附先制。0-2
1回裏;二死1.2塁で5番永末右前タイムリー、続く6番石黒中前タイムリーで同点。さらに二死満塁から8番石井遊ゴロ失、9番松村1番冨田連続押し出しで天理逆転。5-2
2回表;二死2塁で2番豆越中前タイムリー。5-3
6回裏;この回先頭1番冨田が右越えソロ本塁打。冨田今大会4試合連続本塁打。6-3
8回表;一死2塁から三塁前犠打を野手が悪送球。6-4
9回表;3人目の長尾が2本の安打を浴びながらも無失点、最後の打者を二ゴロに打ち取って試合終了。6-4

シード校同士、春季大会決勝の再現となった準決勝は初回からスコアの動く意地のぶつかり合い。初回一挙5点で逆転、中押しと3投手継投でリードを守り切った天理が決勝進出を決めた。
1回表に奈良大附が天理先発のエース松村をしぶとく捉え、一死1.2塁からの連続タイムリーで2点を先制。昨秋から続く天理の無失点イニング連続に早速終止符を打った。重要な先制を許した天理だがここから粘り強い。直後の1回裏、二死から赤埴死球、下坊四球で1.2塁とするとこちらも5番永末6番石黒の連続タイムリーで同点。さらに二死満塁として遊ゴロ失、二つの押し出しで3点を追加。二死から5点を奪い逆転、奈良大附エース杉山を初回で引きずり下ろした。両校夏の連戦の疲労か、四死球やエラーも絡んで序盤から試合が動く。奈良大附が直後2回表に2番豆越のタイムリーですかさず1点を返し5-3、点の取り合いの様相だったがここから試合は硬直、奈良大附上橋は立ち直り天理打線に安打も許さず、天理松村も尻上がりに調子を上げた。
均衡を破ったのは6回裏の天理、この回先頭の1番冨田が右越えソロ本塁打。なんと今大会4試合連続となる一発で天理が次の1点を奪い試合の流れを引き寄せた。奈良大附も相手エラーで1点返すも反撃はここまで、今日も3投手の継投でリードを守り切り、天理が3年ぶり決勝進出となった。

初回二死からのビックイニング、中盤ピンチを迎えても踏ん張る投手と守備。4つのエラーが出るらしくない部分があってもリードを渡さない、粘り強さと精神的強さを感じさせる試合だった。隙のない過去三戦までとはいかない内容も、それでも勝ち切ったことは決勝を前に意味を持つ。
奈良大附は下手投げの松村に対しても打ち上げることなくゴロを徹底。内野の間を割る安打、天理守備のエラーを誘発する打球。初回には連打で先制、しぶとく圧をかけ天理を苦しめた。先発杉山を1回持たずに降ろすこととなったことは誤算か。しかしこの世代は前チームからの中心選手も多く経験値は天理智辯に負けず劣らず、今春は決勝で天理に1点差と迫る準優勝でその投手力を中心とした実力は出色だった。投手力と硬軟おり混ぜる攻撃のいやらしさ、巧者ぶりは天理智辯とは異なる奈良大附属新たなカラーとして、この夏際立った。

次戦、いよいよ迎える決勝戦は智辯学園との対戦が決定。実に9年ぶりに、両校が夏の決勝で顔をあわせる。現チームでは昨秋奈良大会準決勝で対戦があり7−2と天理が勝利。その後は対戦がないままに天理は秋春と奈良大会を制するが、夏予選2連覇中で甲子園経験者を数多く揃える智辯学園も今夏にきっちり仕上げ3回戦以降全てコールド勝ち。天理は秋春夏連覇と春夏連続甲子園、智辯は夏3年連続の甲子園をかけ、奈良の強豪二校による頂上決戦がついに実現する。絶対に負けられない試合、チームの合言葉”気迫”が本当に試される時が来た。思わぬミスが出ても巻き返せる、二死からでもひっくり返す力もある、自分たちの力を発揮しこれまでに野球ができれば必ず勝てる。「これまで通りに行かなくても、これまで通りに戦おう」これまで通り、次戦も一戦必勝で臨む。

 

ABOUT ME
kosuke@天理野球部応援
新潟出身東京在住。2004年〜天理高校ファン。高校野球は地元新潟県勢と天理高校を応援してます。生きてるうちに天理高校と新潟県勢の全国制覇が見たい!