第105回全国高校野球選手権記念奈良大会 2回戦・成績
2023/7/10(月)
選手権奈良大会2回戦＠佐藤薬品スタジアム
天理
320 200 080－15
201 410 240－14
奈良大附
（天）中川、麻田－赤埴克
（奈）元谷、杉山、長谷川、森口、岸本、森口、森、武廣－前田
本；大谷②、赤埴克④（天）立石②（奈）
三；松本（天）
二；赤埴克２、大谷、松本、下林（天）前田、堤野、岩口、岩本、桑田（奈）
試合内容
1回表；一死満塁から5番下林の左前タイムリーで先制。さらに6番米澤の内野ゴロの間に1点、7番木下タイムリー内野安打で1点。初回に3点先制。3-0
1回裏；二死2塁から4番前田、5番堤野の連続タイムリーツーベースで奈良大附が2点を返す。3-2
2回表；二死2塁で3番大谷がライトへツーランホームラン。5-2
3回裏；無死1、3塁から内野ゴロの間に1点返す。5-3
4回表；二死1塁で3番大谷のタイムリーツーベースで1点。さらに二死満塁で6番米澤押し出し死球で1点。7-3
4回裏；一死1、2塁のところで雷雨による一時中断。その後一死満塁となってから1番岩口2点タイムリー、2番村井右前タイムリー、四球を挟んで4番前田犠牲フライ。この回4点で一挙同点。7-7
5回裏；二死3塁でショートゴロエラーにより奈良大附1点勝ち越し。7−8
7回裏；二死1塁で8番立石がレフトへツーランホームラン。7-10
8回表；無死2塁で5番下林が左翼線タイムリーツーベース、続く赤埴幸中前タイムリー。さらに二死満塁となってから2番赤埴克がレフトへ逆転の満塁ホームラン。さらに四球、盗塁の後二死2塁で4番松本タイムリースリーベース。この回一挙8得点で天理逆転。15-10
8回裏；二死1、2塁で5番堤野中前タイムリー、6番武廣も中前タイムリー。続く7番代打桑田が中越2点タイムリーツーベース。この回4点を返し奈良大附が1点差に迫る。15-14
9回裏；8回から登板の2年生左腕・麻田が無失点で締める。最後はショートゴロを1年生赤埴幸が落ち着いて捌き試合終了。15-14
初回から点の取り合い、逆転に次ぐ逆転のシーソーゲーム。両軍総戦力投入で戦った文字通りの死闘。わずかに1点差で天理が逃げ切った。
両チーム合計34安打29得点、3本のホームランを含め13本の長打が飛び交う打撃戦となった。奈良大附のターニングポイントは中盤、天理が徐々に突き放す中で4回5回で5得点を挙げ一気に追いつき追い越した。特に4回は雷雨による長時間の中断を挟んだ直後の同点劇だった。7回にも2点を追加し、後攻でもある奈良大附の押せ押せで試合を折り返したが8回に天理打線が猛追。1点差に迫った後２番赤埴克の逆転満塁ホームランで一挙逆転、その後も加点しこの回8得点で最終盤に試合をひっくり返した。8回裏を迎える時点で5点のリードを許した奈良大附も更にしぶとく追いすがり、8回裏二死から4得点し1点差まで追い上げたが反撃はここまで。最終盤で二人目としてリリーフした天理の2年生麻田が強気の投球でその後を締め、1点差を守り切った。
奈良大附は7人の投手を投入し目先を変えようとしたが天理打線に対応され、一方の天理は満を持して先発のエース中川を辛抱強く続投するも最後は奈良大附打線が引きずりおろす形に。両チーム共に二死からの複数得点が目立つなど、しぶとさと気迫、この試合にかける意地と意地がぶつかり合う試合となった。
それでも新チーム最初の公式戦、昨秋の御所実業戦での乱打戦からスタートしたのがこの天理113代。下林主将も「全く焦りはなかった、逆転できる自信があった」。雷雨の中断と点灯、3時間49分に及んだ戦い、おおよそ初戦とは思えない熱気。記録にも記憶にも残る、今夏の奈良大会におけるハイライトとなるであろう熱闘となった。
2番から7番までの打者が打点を記録した天理打線だったが、とりわけ光ったのが2番赤埴克。序盤の得点期を作った第1、2打席のツーベースは右方向で、春以降力をつけた広角な打撃を披露。そして極め付けはこの試合の決勝弾と言って良い8回の逆転満塁ホームラン、三塁打が出ればサイクルという4安打4打点だった。遊撃も守れて中軸も打てる巧打のユーティリティプレイヤーは、最後の夏は2番正捕手でスタート。弟・赤埴幸と揃ってベンチ入りする中兄の背中を鮮烈に刻む活躍だった。
次戦3回戦は法隆寺国際との対戦が決定。初戦から8日、3年生を中心とした初戦の起用となったが、春季大会で活躍した1、2年生たちの活躍が見られるか。これだけの初戦を勝った彼らに乗り越えられないものはないでしょう。次戦も”覇氣”一戦必勝！
