現役世代

【一丸で掴んだ頂点、歓喜の大輪】選手権奈良大会決勝・智辯学園戦

第107回全国高校野球選手権奈良大会 決勝・成績

2025/7/28(月)
選手権奈良大会決勝@さとやくスタジアム
天理
030 000 000-3
100 000 100-2
智辯学園
(天)松村、橋本、長尾ー石井
(智)杉本、田中ー角谷
本;松村③(天)
二;石井(天)近藤(智)

試合内容

1回裏;二死3塁で4番角谷左前タイムリー。0-1
2回表;一死2.3塁から9番松村左越3点本塁打、天理逆転。3-1
7回裏;一死1.2塁で4番角谷右前タイムリー。3-2
9回裏;7回から登板の3人目長尾が二死満塁のピンチを背負うも、最後の打者を左飛に打ち取り試合終了。天理3年ぶり30回目の夏優勝!3-2

”紫の歓喜の大輪、さとやくに咲く”
天理と智辯学園、夏は9年ぶりとなる決勝での直接対決。奈良の誇る二大強豪による107回目の夏決勝は1点を争う息詰まる激戦は、序盤に逆転したリードを継投で守り切った天理が勝利を収めた。スコアは3-2、準決勝奈良大附、決勝で智辯学園を破って見事優勝、3年ぶり30回目の夏の甲子園出場を決めた。

1回裏に智辯学園に先制を許した直後、一死から7番吉田の中前安打、8番石井の左翼線2塁打で2.3塁とすると、9番松村が変化球をフルスイング。左翼フェンスを悠々と超える3点本塁打で逆転。7~9番の3連打であっという間にリードを奪った。
天理先発松村はこれでさらに落ち着きを取り戻し2回3回4回を無失点、毎回安打を許しながらも着実にアウトを積み重ねた。5回裏に智辯学園先頭池内に中前安打を打たれ二人目の橋本にスイッチ、この橋本も直後無死1.2塁を迎えながらも落ち着いた投球、準決勝の浮足立った感じは一切なく堂々のマウンド捌きで智辯の中軸を打たせて取った。そんな中7回裏、橋本に対し二巡目となる智辯学園もこの投球に対応。4番角谷がこの日二本目となるタイムリーで1点差と詰め寄る。次打者の5番太田に死球を与え一死満塁を迎えたところで天理は3人目の長尾を投入、準決勝と同じ3人の継投だ。その準決勝に続いて終盤のピンチで再びリリーフとなった長尾が強心臓の投球。6番少路を二飛、7番有本を二ゴロに打ち取って絶体絶命のピンチを切り抜ける。長尾は次の8回裏を三者凡退に抑えて見せた。
9回表は天理も三者凡退に終わり9回裏、先頭馬場井を四球の後3.4番を二ゴロ、中飛に打ち取って二死1塁。ここから智辯学園も執念を見せ5番太田が2ストライクから左前安打、6番少路が四球で二死満塁、7番代打志村を迎えるがマウンドの長尾は変わらぬ落ち着き。不利なカウントでも最も制球に自信のある直球で押していこうと決めていた。最後は外角直球で押し込み高々と上がった左飛、レフト吉田がボールを掴んで試合終了。最後の最後まで分からない意地と意地のぶつかり合いを制し3塁内野席からは歓声、グラウンドには紫色の歓喜の輪が大きく咲いた。
あと一歩、あと一本届かなかった智辯学園。先発杉本は立ち上がりこそ3点を失ったが以降は天理打線のつながりを許さず8回7安打8奪三振で投げ切った。打線は天理を上回る安打を放つも活かせず14残塁。7回一死満塁、9回二死満塁とあと一本出ていればという場面を何度も作り天理を追い詰めた。秋は準決勝で天理に2-7敗戦、春は畝傍に1-8コールド敗戦というところから夏の決勝まで上り詰め、夏2連覇中の王者流石の仕上がり。最後の最後までどちらが勝ってもおかしくない決勝の激戦を演じた。

準々決勝までは無失点コールドの連勝も準決勝以降は投手の踏ん張りと打線の粘りで勝ち切った。全試合を3人以上の継投で勝ち進み、絶対的エースはおらずともそれぞれに個性とスタイルの異なる投手を繋ぐ。打線も強打だけでなく二死からの得点やワンチャンスをものにする勝負強さ。この夏はベンチ入り20人中19人が出場し、藤原監督の優勝インタビューの通りチーム一丸で最後の夏の頂点を掴んだ。
天理115代はこれで秋・春・夏の奈良県大会を優勝、県内無敗で春夏連続の甲子園を掴んだ。県内無敗は2010年世代依頼15年ぶり、しかし試合内容を見れば決して簡単な試合ばかりではなかった。天理史上初の主将2人制、前チームのレギュラーを多く残し早速選抜を決め、常に県内では追われる立場。様々なものを背負う中それでも最後の夏をすべて勝ち切った。選手個々の力やポテンシャルに加えてチームのまとまりと精神的強さが加わった夏、最後は奈良大附・智辯学園という最大のライバルを倒して頂点に立った有終の夏の奈良大会となった。
選手の皆さん、本当にお疲れ様でした。そして優勝おめでとう!
3年前の優勝時にはできなかったマウンドでの歓喜の輪、とても感慨深かった。紫のユニフォームに身を包む天理ナインが感情を爆発させるその姿、多くの天理ファンが待ち望む光景だったと思います。感動をありがとう。

3年ぶりに出場を決めた夏甲子園は節目の30回目。藤原監督初の夏甲子園でありこれも節目の甲子園通算80勝にあと1勝と王手をかけている。声出し応援解禁後の夏は初でありブラスバンドの応援にも注目。第107回全国高校野球選手権大会は8/1(金)と8/3(日)に組み合わせ抽選会、8/5(火)より開幕を迎える。

 

ABOUT ME
kosuke@天理野球部応援
新潟出身東京在住。2004年〜天理高校ファン。高校野球は地元新潟県勢と天理高校を応援してます。生きてるうちに天理高校と新潟県勢の全国制覇が見たい!