【天理の底力、旬の風最後まで】第108回全国高校野球選手権大会準決勝・健大高崎戦
第108回全国高校野球選手権大会 準決勝・成績

2025/8/20(木)
選手権大会準決勝@阪神甲子園球場
天理
000 000 000-0
100 000 00X-1
健大高崎
(天)長尾ー小澤
(健)佐藤、北田、石田翔、石垣ー大岩
三;岩井(健)
二;岩井(健)
試合内容
1回裏;一死1,2塁で4番佐藤右前タイムリー。健大高崎先制。0-1
4回表;一死から6番岩井に二塁打を浴びるなど二死2,3塁も長尾の牽制でピンチを脱す。0-1
6回裏;二死1,2塁を招くも長尾が9番溝口を三振に打ち取る。0-1
7回裏;4番佐藤を申告敬遠し二死1,3塁を迎えるも5番石田翔を遊ゴロに打ち取りピンチを脱す。
9回表;先頭中西が中前打で出塁、犠打の後2番田畑の右へのライナーを健大高崎狩野ファインプレー。二死2塁から3番永井内野安打、4番金本四球で満塁と攻め込むも、5番関村が三振に打ち取られ試合終了。0-1
”耐え凌ぎ、守り抜き、見せた底力。遠い本塁”
初回に健大高崎が先制。終盤まで押され攻め込まれるも長尾の粘りの投球と堅守で1点差食らいつく。打線は的が絞れない中最終回に二死満塁と攻め込むも得点ならず。1-0の接戦を健大高崎が制し決勝進出、天理は惜しくも準決勝で敗退となった。
今夏の甲子園4試合連続で先攻を取った天理。初回二死2塁のチャンスをいきなり迎えるも4番金本が三振に取られ得点ならず。その後健大高崎先発佐藤の抜群の制球・変化球の前に安打が出ない。4回に3番永井にチーム初安打を放つも盗塁死、7回には2番田畑が右前安打で初めて先頭を出すも後続続かず、最終回を除き走者が出たのも3イニングのみ。過去3試合で二桁安打を放ち波に乗ってきた打線も、健大高崎佐藤の前に打線は大いに苦しんだ。
天理の先発は中4日の長尾。決勝進出をかけ準々決勝を温存したエースを満を持して投じた。この日はボール先攻が目立ち、初回にいきなり先制を許すがその後は粘り強く0を並べ続けた。4回裏には二死2,3塁の絶体絶命のピンチを自らの牽制で脱し、6回裏二死1,2塁・8回裏二死3塁をそれぞれ三振で切り抜けた場面では気迫の雄たけび。7回二死1,2塁は金本の好守で切り抜ける等、ほぼ毎回走者を背負いピンチを迎えながら粘投と堅守で天理は追加点を許さず、初回の1点のみで試合は0-1健大高崎リードで最終9回表へ。
9回表、先頭の9番中西が意地の中前安打。この日3本目の安打に大いに沸く場内。1番山中が犠打で送り一死2塁。2番田畑の上手く合わせた右への打球、落ちそうな打球を途中出場の健大高崎1年生狩野がダイビングキャッチ。土壇場の健大高崎の堅守に息をのむ。
二死2塁となり3番永井が引っ張った一ゴロ、こちらも意地のヘッドスライディングでセーフとすると二死1,3塁の絶好機で最も頼りになる4番金本へ、最終回皆で金本へ繋げとの言葉通り再びのチャンスで主将に回る。しかしここで健大高崎も慎重な勝負で結果四球。二死満塁、5番関村のところで健大高崎は4人目エース石垣投入。この最終局面でも落ち着いた投球で全球カットボール。5球粘ったが最後インローに投じられ関村空振り三振。試合終了、大激戦に幕が下りた。
終始押される試合展開、あと1点、2点取られていてもおかしく無い中全員で凌ぎ守り抜いた。打線も得点のきっかけすら見いだせない苦しい中、最終回はそれまで踏めなかった3塁を陥れ満塁と攻め込んだ。”天理の底力”これぞ伝統の意地、最終盤で旬の風は最も強く吹いた。
新チーム発足当初から徹し続けた”守り勝つ野球”。その標榜通り最後まで投手中心に守り抜いた。その自分たちの野球に徹する中で流れも生み出した、これを藤原監督は”旬の風”と表現したのだろう。力や技量、気持ちに加え「自分たちの形に徹する」ことで、天理116代は劣勢にも崩れないそして勝負強いチームに成長した。
夏の甲子園で挙げた3勝、9年ぶりの夏ベスト4、スタイルを変え聖地で示した”強い天理”。惜しくもあと一歩、一本、一点届かなかった甲子園決勝、そして日本一。その存在が見え隠れするからこそ、この敗戦の悔しさがより色濃いことだろう。この大きな甲子園での忘れ物は、最後の打者となった関村や大会中苦しみ続けた永井、扇の要を守り続けた小澤ら次の世代に引き継がれる。彼らがまたこの激しく厳しい日本一をかけた舞台へまた戻ってくることを願いこれからも応援したい。
自分たちの野球を貫き、強い天理、甲子園に天理ありを示した天理116代、とても強かった、強くなった。長い長い夏を、多くの感動をありがとう。本当にお疲れさまでした。