令和6年度秋季近畿地区高校野球大会
奈良県予選〜本戦 勝ち上がり
◾️秋季近畿大会奈良県予選
2回戦 18-0奈良高専(5c)
3回戦 10-0法隆寺国際(5c)
準々決勝11-0大和広陵(6c)
準決勝 7-2智辯学園
決勝 11-1奈良
◾️秋季近畿大会
1回戦 5-1和歌山東
準々決勝4-1滋賀短大附
準決勝 3-11東洋大姫路(7c)
8試合合計 69得点/16失点
※1試合平均 8.6得点/2.0失点
大会通算 投手・打撃成績
5試合57得点、チーム打率.447と奈良大会を圧勝で優勝した勢いそのままに、しかし近畿の舞台でも自分達の野球を一貫し着実な得点と試合運びで勝ち上がった。奈良県1位として臨んだ秋季近畿大会、3年ぶりに準決勝進出を果たし来春選抜出場を確定的なものにした。
秋季大会8試合を通じて69得点、チーム打率は.363。近畿大会3試合に限ればチーム打率は2割弱であったが、タイムリー無しでの得点や二死からの得点も多く奈良大会同様チャンスを確実にものにする手堅さ・勝負強さは出色。1回戦和歌山東戦の先制の場面では、2.3塁から暴投の間に2塁走者まで生還しワンプレーで2点を先制。選抜当確のかかる準々決勝滋賀短大附戦も2点目までは犠飛と内野ゴロの間の得点。これにはチャンスメイクも大きく、四死球で出たランナーを犠打や盗塁そして徹底した逆方向への打撃を絡めて進塁させる等、次の塁への意識高い攻めが光った。近畿大会は総じてロースコアの展開が多く、投手のレベルも上がり一発長打はあまり望めない中、安打が出なくても得点を重ねじわじわと試合の流れを手繰り寄せる試合運びが印象的であった。準決勝こそ結果は大差の敗戦となったが、優勝の東洋大姫路に5回までで3本の2塁打等で一時同点の粘りも。
レギュラー全員が打率3割以上を記録し切れ目がない。今秋復活しチーム最多9打点の4番冨田、2本塁打の伊藤に長打力。また奈良大会から好調を維持しチームトップ15安打の1番赤埴、準々決勝の2点タイムリーをはじめ8安打8打点と要所で勝負強い永末、両主将の打撃が勝負所で光った。
投手陣は奈良大会に続き近畿大会でもエース下坊・背番号5伊藤の二人が軸となった。1回戦で先発した下坊は少々不安のあった立ち上がりも何のその、8回2/3を3安打1失点とほぼ完璧な投球で和歌山東打線を抑え込み、大事な初戦を勝利に導いた。準々決勝は下坊ー伊藤の継投となったが、4回からのロングリリーフとなった伊藤が6回を無安打無失点の投球で滋賀短大附の流れを完全に断ち切る好投。要所では雄叫びを上げるほどの気迫の投球で終盤の決勝得点を呼び込んだ。投手経験は浅くも今春から実績豊富、球のキレと空振りも奪える変化球が武器の下坊。球に力が有りながら直球変化球とも制球良く、気迫溢れる投球で流れを呼び込む伊藤。元々野手出身ながら今春以降でメキメキと成長を遂げた両右腕が秋季大会を通してチームを牽引した。ここに奈良大会で圧巻のリリーフ、近畿大会準決勝で先発も務めた2年生右腕酒井が食い込めば厚みが増す。また奈良大会初戦と決勝で先発の松村、奈良大会と近畿大会でもマウンドを経験した唯一の1年生かつ左腕の橋本らも控える。投手選任で実力高い選手はベンチ外にもまだまだおり、投手陣の更なる活性化が見られれば来春に向け興味深い。
攻撃面だけでなく継投に至るまで、奈良大会に続き戦略的な藤原監督の采配が奏功し勝ち上がった近畿大会。3年ぶりに準決勝進出を果たし来春選抜出場を当確のものとした。出場決定となれば藤原監督就任後初の甲子園、生まれ変わった”天理野球”で聖地を見据える。